7本のトロンボーンが教えてくれたこと

少し前に娘のトロンボーン購入に付き合った時の体験について。


結果的に色々と貴重な経験となったわけだが、まずは購入する場所が楽器屋ではなく中学校の音楽室なところからはじまる。

1.音楽室にて

娘と校門で待ち合わせして、音楽室に連れられて行くとトロンボーンが7本並んでいた。楽器屋さんが持ち込んで並べてくれたらしい。
楽器屋に行くとショーケースに厳かに陳列されているものが、学校の机の上にこう並べられているとなんとも不思議な光景だった。

トロンボーン
来ていたのは楽器屋さんだけではない。
顧問の先生がわりと有名なペット奏者らしいのだが、その先生の海外留学時代の友人であり、プロのトロンボーン奏者として活躍する若狭和良さんという方が、わざわざ広島から来てくれていた。

ここまでお膳立てしてもらってはもう逃げられない!!
って、そもそも買う前提でこの場を設けてもらってるので逃げる気はないけども。


2.プライスレスにて

空間もさることながら、レア体験を加速させたのがプライスレス。
いや、◯スターカードのCMのやーつではなく、単純にプライスがレス。
価格を知らされることなく楽器選定に入る。

事前に20万〜40万くらいのラインナップですと、ざっくり聞いてはいたものの、当日は値段の話はまったくしない。誰も触れない。純粋に音色や吹き心地で選んだ方がいいのは間違いないので、あえて聞くこともしなかったが、後で値段を聞いて100万とか言われてから「やめま〜す!」なんて許されたのかどうかは謎。

いやーしかし、何度か楽器を買ったことあるけど、値段見ずに買ったことはなかったなぁ。
プライスレスでプライスレス。


3.導かれて

今回、7本並べられていたけど実は3種類しかない。これは写真を見てもなんとなくわかるかもしれない。
同じ型番のものも個性が違うそうで、3本+2本+2本という内訳で並んでいた。

吹き比べが始まる。

種類が違えばそれなりに音質の違いもわかったけど、同じ型番のものになると全く差がわからない。そんな外野の思いをよそに、高低音の伸びがどうとか、音の厚みが丸い感じがどうとか。

わかる人にはわかるらしいと思いつつも、先生の誘導の巧みさも興味深く観察させてもらった。

最初に先生はひと通り吹いて試しており、その時点で2本に絞っていた。そこへの辿り着かせ方がうまかった。
7本から1本を選ぶのは難しいので消去法で絞りましょうと、3種類それぞれの中で1つに絞る方針をとる。3本の中から1本、2本の中から1本という具合に種類毎に質問して回答させてどちらか選ばせる。

7本から1本に誘導するのは難しいが、こうして2〜3本の中から1本を選ばせるのは難しくない。とは言え、所要時間にして約1時間くらいかけており、最後まできちんと自分で選んだと認識できるように導いていたのは素晴らしかった。


こうして娘は満足のいくトロンボーンを手に入れた。
振り返ってみれば、高額な楽器を買う場所としてはおおよそ適さない「古い公立中学校の音楽室」という空間で、何十万もするのに金額を知らされていないという状況下。これだけ価値高いのは全て先生のおかげだ。

先生。本当にありがとうございました。


ちなみに今回の先生の若狭和良さん、後で調べたら本気で凄い人でした!演奏はこちら。
知ってました?トロンボーンってこんな風にメロディ吹けるって。