【トラウマ注意】WEBディレクター暦20年の俺が出会ったモンスタークライアント(後編)

前編では見事な進化を遂げたモンスタークライアントから理不尽に噛みつかれている真っ只中で終わりました。まだ読んでない方はこちらからどうぞ。
【トラウマ注意】WEBディレクター暦20年の俺が出会ったモンスタークライアント(前編)

それでは後編はじめます。

モンスターの攻撃

Kさん「だから、Tさんに決裁権はないんだよ。」
森中 「TさんがKさんと話をするとのことでしたが?」
Kさん「はぁ〜?Tさんからは何も聞いてないよ。」

こりゃダメだと思いました。もう何がなんだかわかりませんでしたが、このことをまた自分でTさんに伝えたところで堂々巡りになります。

森中 「あの、Tさんもここに呼んでいただいて一緒に話できませんか?」
Kさん「上司は僕だよ。その必要はない。」
森中 「僕がTさんに話してもまた同じことになりそうですので。」
Kさん「Tさんに話す必要はないでしょ?」
森中 「いえ、ですが・・・」
Kさん「ウチと取引停止になるけどいいの?」
森中 「は、はぁ、、、。」

意見を聞き入れてもらえる様子は全くなかったので、その場を終わらせるために生返事をするしかありませんでした。
Tさんに伝えたところで、馬の耳に念仏状態になることはすでに学習済み。
HP/MPを削られた上に経験値も勝利報酬ももらえない敵など「▶︎逃げる」一択。
納品日も近づいていたので、それまではKさんに会わないようにするのが最良策だと考えました。

それから危ういシーンはあったものの、無事に納品を迎え、検収→請求書の受領まで進みました。
ちなみに、請求書は「決裁権など無い」Tさんにお渡ししましたが、無事に社内処理されて入金もすんなり行われました。

要は、「仕事できる x 上司に食って掛かる = 昇進できない先輩・Tさん」と、 「仕事できない x 真面目で上司に好かれる = 追い抜き昇進した後輩・Kさん」との、人事なき戦いに巻き込まれただけのようでした。

諍い

社内の問題は内輪で解決して欲しいものです。何故に外注の若造を利用して相手を出し抜こうとしたり攻撃しようとしたりするのか。組織の力学って怖いですね。

後日、Kさんから電話で呼び出しを受けましたがお断りしました。
不毛なやりとりに懲り懲りしていたため、既に社内で話を通し、もし次に呼び出されることがあれば断れるよう土壌を整えておいたのです。もはや聞き慣れた「取引できなくなるよ?」の脅し文句も効力ゼロです。

事前に上司とすり合わせたのは以下2点でした。
これを条件にそのクライアントとは今後取引しなくてもいいという許可をもらっていたのです。

1.今回の案件はきちんと納品すること
2.同等の売上規模の新規を開拓すること

くだらないことで精神を磨耗させるくらいならそのパワーをもっと前向きなことに使いたい。売上額なら他で取ってくれば問題ないはず!という真っ当な考え方で上司に臨んだ結果でした。
わがままを聞き入れてくれた僕の上司には今でも感謝しています。

さらにその後、Tさんからも次の案件の話がしたいと電話がありました。どういう断り方をしたかいまいち覚えてませんが、「ふーん、あっそ。」ってな具合であっさり電話を切られたことだけ記憶に残っています。



さて、前後編でお届けした「モンスタークライアント」ですが、最後にまとめとしてその言葉の定義について触れておきたいと思います。

まず大前提として、「踏み倒し」をしてくる連中は候補にすら入れてません。20年もやってりゃ何人かは出会ってしまうもんです。コンセプトがどんなに素晴らしいサービスでプロジェクト中にいくらいいこと言ってても最後に金を払わないのは最悪です。

お金を支払うまでが発注です!
そこまで全うして初めて「クライアント」です。そんな基本的なことさえできない人はモンスタークライアントの候補にも挙がらないただのモンスターです。

そんな一部の下衆は頭から消して思い巡らせました。
ディレクション歴20年で携わってきたプロジェクト。その中で関わってきた数多くのとんでも担当者さん達を。

・明らかに金額と釣り合わない要求を突きつけてくる人
・悪気なく仕様変更を繰り返す人
・時間が経つと言ってることが変わる人
・24365での対応を当たり前と思っている人
 などなど

結果としてそのプロジェクトが成功するためであるとわかれば付き合える

しかしここに挙げた担当者さん達は誰一人モンスタークライアント認定をしませんでした。
何故認定しなかったのだろうと理由を考えたところ、単純に「どこを向いて仕事してるか」ではないかなと思い至りました。

目標と信念を持って戦っている人であれば多少理不尽なことを言っても許せる、とでも言いましょうか。より良くするために一度決めたことが覆ってしまうことはあるし、休みであろうが深夜であろうが対応して欲しい時もある。結果としてそのプロジェクトが成功するためであるとわかれば付き合える、そんな感覚です。

そう考えると、もしかしたらKさんさえ登場しなければ、モンスター認定をせずにすんだのかもしれませんね。